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コラム

一年の計は元旦にあり

年の瀬が近づいてきました。私は、来年は「体力をつける一年」にしたいと思っています。こうした新しいこと、変えたいことに取り組む際の流れは「目指す状態をイメージ→現状分析→目標設定→振り返り」ですが、ちょっとしたコツをお伝えしたいと思います。

まずは目指す状態をイメージします。私は、筋骨隆々になりたいわけではなく、体力をつけて毎日70~80%の元気度で過ごしたいなあ、と思っています。

次に、現状の分析です。私は年度途中に職場の近くに引っ越して、普段の生活で歩く機会が減ったことが体力低下の一因である気がしています。携帯電話の歩数計で確認すると毎日5000歩程度歩いていたのが、半減して3000歩弱になっていました。しかし、ここで「運動する機会を増やすために来年からジムに通おう!」…とは決してしません。続かないことが目に見えているからです。人間の脳は極力省エネで動こうとするので、何かを“変える”ということには大きなエネルギーを要し、抵抗を生じやすいのです。「面倒くさい」、「しんどい」と感じることを、「まあこれくらいならやってもいいかな」、「これなら出来るな」、「やってみたい」、「楽しい」と思えることにいかにハードルを下げていけるか。この点が非常に大切です。

そこで、私は「日曜日の朝は徒歩10~15分の距離にあるカフェに行って読書をする」ことにしてみたいと思います。通勤時間が短くなった分、平日に睡眠時間が確保できているので、日曜日でも自然と早起きできるようになったことと、通勤電車での読書が意外と大事な息抜きの時間だったことに気づいたタイミングでもあるので、実行可能性は高そうです。

最後に、やってみてどうだったか、振り返りを行います。やった!いい感じ!という達成感が得られていたら最高です。自分を褒めつつ、ぜひ続けましょう。もっとしんどくても大丈夫そう、と思ったとしても今のまま、少なくとも1カ月はキープします。“続けること”に意義があります。問題は、やってみたところしんどさを感じたときですが、この場合は素直に取り組みを再検討してみましょう。ここを気合いや根性で乗り切ろうとすると、挫折や失敗に繋がります。どういった点がしんどかったでしょうか。負荷が高すぎる?やっていて楽しさがない?それに対して、何か工夫できることを考えてみましょう。

今年を振り返ったり来年に思いをはせたりする時期にあたり、何か参考になりましたら幸いです。

(御池メンタルサポートセンター 臨床心理士  藤井 彩)