毎年9月は「がん征圧月間」であることをご存知でしょうか。
月間中は、日本対がん協会によるがん征圧ポスターデザインコンテストや「東京から全国へ コロナ時代のがん征圧」をテーマに、オンラインでの講演が行われ、がんの適切な予防や早期発見、早期治療を呼びかけています。
その「がん征圧月間」初日の9月1日が「大腸がん検診の日」として2019年に一般社団法人日本記念日協会に認定されました。
今月は、「大腸がん検診の日」にちなんで、大腸がんや検診内容について紹介します。
▼大腸がんとは?
大腸がんは、大腸(結腸・直腸・肛門)に発生するがんで、良性のポリープががん化して発生するものと、正常な粘膜から直接発生するものがあります。
早期の段階では自覚症状はほとんどなく、進行すると症状が出ることが多くなります。
〈症状〉
血便(便に血が混じる)
下血(腸からの出血により赤または赤黒い便が出る、便の表面に血液が付着する)
下痢と便秘の繰り返し
便が細い、便が残る感じ、おなかが張る、腹痛、貧血、体重減少など…
大腸がんは早期発見・早期治療で95%以上の人が治ると言われています。しかし、現状では、がん罹患数第1位、がん死亡原因では男性第3位、女性1位となっています。早期発見のためには、40歳以上は年1回の大腸がん検診(便潜血検査)の受診が推奨されていますが、受診率は低迷しており、未受診の方の早期発見の遅れが懸念されています。
▼大腸がん検診とは?
大腸がん検診として広く行われているのは「便潜血検査」です。2日分の便を採取し、便に混じった血液を検出する検査です。がんやポリープなどの大腸疾患があると大腸内に出血することがあり、その血液を検出することができます(通常は微量で、目には見えません)。
▼大腸がんに関するQ&A
Q:大腸がんの予防策はある?
A: 大腸がんの発生は、生活習慣と関わりがあるとされています。赤肉(牛、豚、羊など)や加工肉(ベーコン、ハム、ソーセージなど)の摂取、肥満、飲酒、喫煙により大腸がんの発生する危険性が高まります。がん予防には禁煙、節度のある飲酒、バランスのよい食事、適正な体形、運動が効果的といわれています。
Q:痔を患っている場合、便潜血検査を受けると大腸がんだと診断されてしまいませんか?
A: 「便潜血検査で陽性=大腸がん」と診断されるわけではなく、精密検査を受けるよう指示が出されます。また、痔でも必ずしも陽性になるわけではありません。
もし陽性となった場合でも、「痔だから陽性になった」とは思い込まずに、必ず精密検査を受けてください。
Q:大腸がん検診で精密検査が必要と言われました。
A: 精密検査として大腸内視鏡検査や注腸X線検査を行います。
〈大腸内視鏡検査〉
肛門から内視鏡を挿入して大腸を詳細に調べます。検査は20分程度で終わり、多くの場合大きな苦痛もありません。ポリープ等の病変が見つかれば、悪性か良性かどうかを調べるために病変の一部を採取して、悪性度を調べることもあります。
〈注腸X線検査〉
肛門からバリウムと空気を注入し、X線写真をとります。がんやポリープなどの正確な位置や大きさ、腸の狭さの程度などがわかります。
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大腸がん検診を受けることで、大腸がんによって死亡する確率を70%下げることが
できると言われています。
ご自身だけでなく、家族や友人、大切な方たちへぜひ検診をすすめてください。
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〈引用・参考文献〉
一般社団法人日本記念日協会
国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター
https://ganjoho.jp/public/index.html
日本医師会「知っておきたいがん検診」
https://www1.med.or.jp/forest/gankenshin/