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コラム

疲労を溜めない休息のコツ

経済の発展やインターネットの発達により、現代社会は便利で快適になりました。しかし、便利で快適なはずであるのに、 “慢性的な疲労感”を抱えながら日々の生活を送られている方が少なくないように思います。
日々の生活の中では、どうしても多忙になる時があります。仕事だけでなく、家族の病気などの私的な理由で、活動量が一時的に増えるということもあるでしょう。一晩熟睡できれば、ある程度の疲労は回復しますが、回復しきれなかった分の疲労は蓄積していきます。「休んだつもりなのに疲れがとれないんです‥」という声を耳にすることも少なくありません。

そこで今回は、「疲労を溜めないための休息の取り方」について3つのコツをご紹介いたします。まず、1つ目は「休みは先に決めておく」です。疲労感が出てからではなく、最初に休む時間や休む日を決めておきましょう。昼休憩はしっかり休む、定時で帰る日を決めておくなどした方が、疲労感が軽減され、結果的にパフォーマンス向上や業務の効率化に繋がります。2つ目は、「調子が悪いと感じた時は3日連続で休む」です。週末に1日有給休暇を足すなどして休むよう心がけてください。もし、シフト制などの理由で現実的に3連休をとることが難しければ、せめて2日連続で休むようにしましょう。“休むことも仕事のうち”と考えて、心と身体を癒すことに専念するのも大切です。3つ目は、「静かな楽しみを持つ」です。休みの日は飲み会やスポーツ、アウトドアなどでスカッと気分転換!これらはリフレッシュにはなりますが、同時にエネルギーも消耗します。疲れているときは、遊びよりも休養が必要です。読書、料理・お菓子作り、ガーデニング、自然に身を置くなど静かで小さな趣味を持つようにし、心と身体のエネルギー充電を意識しましょう。S N Sやゲームなどは、気晴らしになる反面、情報処理で脳に負担がかかるため、やりすぎは禁物です。

私たちの心と身体は、競走馬と同じように鞭を打てばさらに力を発揮することができます。しかし、人生は短距離レースではありません。「ついつい無理をしがち‥」「なんでも頑張りすぎてしまう‥」という方は、今のペースが早すぎていないか自分の心と身体に問いかけてみてください。

(御池メンタルサポートセンター 臨床心理士 浦野 幸一郎)