「自分は人見知りだ」と悩んでいる方は多いように思います。なんと日本人の大人の6~7割が自分を人見知りだと認識しているそうです。そしてほとんどの人がその性格をネガティブにとらえています。人見知りは、つい短所としてとらえられがちですが、裏を返せば長所としてみることも できます。例えば、相手の気持ちをよく考えられる、慎重に対応できる、 時には 協調性がある 、などでしょうか。身勝手にずかずかと相手の心に踏み込むより「今、話しかけても大丈夫かな、どう思われるだろう」と客観的に人の気持ちを考えるのは良いことだと言えます。また、「私から話しかけたらどう思われる だろう」と考えるからこそ「どんな風に声をかけようか」と入念に準備できるのです。さらに人見知りの人は他人からの見られ方を気にしたり、自分の意見に自信がない分、他人の意見を尊重できます。「いつも人に話を合わせてばかり」と悩んでいる方もおられるかもしれませんが状況に合わせて意見を変えられることも大切です。
ただ肝心な時に気後れして何も言えないのは困りますよね。それではいくつか対処法をご紹介しましょう。まず初対面や大事な場面では誰もが緊張します。自分だけが緊張しているわけではなく目の前の相手もきっと緊張しているはずです。 その緊張は「相手は自分より優位だ」とか「カッコ悪い自分を見せたくない」という思いから来るのかもしれませんが、その気持ちは一旦横において、相手の言葉に耳を傾けてみてください。自然と緊張が和らいでいき、会話も弾んでいくでしょう。「自分を良く見せよう」とするのではなく「相手をよく知ろう」と意識してみてください。また、手っ取り早く外見を変えてみるの はいかがでしょうか 。質の良いシャツや 見栄えの良い靴など、いつもよりワンランク上のものを身に着けることにより自然と自信が湧いてきます。まずは見た目から演出してみるのもいいかもしれませんね。
「人見知りを治したい」という声をよく聞きます。しかし、治すというよりもご自身の人見知りという特性を受け入れてどう付き合っていくかを考えることが大切です。ところで外国人は気さくでフレンドリーに人と接するという印象をよく持たれますが 、中にはそうではない人もいます。そういった人にとっては人見知りの多い日本は居心地がいいようです。安心してください。日本には人見知りさんがたくさんいます。
(御池メンタルサポートセンター 産業カウンセラー 菅原 由佳)