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コラム

ストレスとの付き合い方 「自己コントロール感」

新型コロナウイルスの流行により、マスクの着用やアルコール消毒の徹底など、私たちの生活は変化してきました。その過程で、さまざまなストレスを感じている方は多いのではないでしょうか。一方で同じ状況下でも、柔軟に対応することができている方もおられるかと思います。その違いはどこにあるのでしょうか。

ここでは「自己コントロール感」について紹介したいと思います。「自己コントロール感」とは、自分自身や周囲をコントロールできている感じ、を指します。大事なのは実際にコントロールしているか、よりも本人がそう感じているかです。この自己コントロール感が高い人ほどストレス耐性が強く、不慮の事態にも柔軟に対応できる。コントロールが難しい状況でも、肯定的な面を見ることが得意だと言われています。

今の社会は、新型コロナウイルスの影響で見通しが持てない状態が続いています。自粛生活で不要不急の外出を控えなければいけない、など今までの生活と変わり、「制限されている=自分でコントロールできない」と感じることも多いのではないでしょうか。

もちろん感染予防に努めることは大切です。ただ「制限されている(できないこと)」だけに目を向けるのではなく、「今の状況でもできること」に焦点を当てることも、心をより豊かに過ごすために大切だと思います。

そのためにできる工夫の一つが、自分自身が今行っていることに集中することです。例えば、姿勢を正して自分の呼吸に集中すると、過去の失敗や未来への不安ではなく、今の自分自身が感じている感情に向き合うことができます。落ち着いて自分自身と向き合うことで、集中力を高めたり、リラックスした状態を得られます。ご自身が気づいていなかった「今できていること」に気づくきっかけになるかもしれません。

また、人の姿勢と感情はリンクしていると考えられています。一般的に人はストレスを感じた時、前かがみでうつむき、こわばった表情になり、反対にリラックスしているときは背筋が伸び、顔や目線が上を向き、穏やかな表情になると言われています。ストレスを感じた時、リラックスしている時の姿勢や表情に意識的に変えることで気持ちの変化が期待できます。試してみてください。

先の見えない不安な状況ですが、こんな状況だからこそ「できること、できていること」を振り返って確かめることが大切かもしれません。
(御池メンタルサポートセンター 臨床心理士 米澤 里奈)