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休息のタイミングとその方法

ある日、デスクワーク業務を主体とされている方との話の途中で、次のような質問を受けました。「どうやって休んだらいいのか分からないんです」。その問いには、大枠で2つの要素を含んでいたようです。

一つ目は①一日の業務中に休憩をとるタイミングが分からない、ということのようでした。一律の昼食休憩はあるものの、それ以外に休憩をしてもよいものか。そもそも、その必要性があるのだろうか、と。私としては一日の業務予定やペース配分をどうするか、見通しを描くことなく作業されているのかもしれず、そのことが課題点であろうと解釈しました。説明のために苦肉の策で思いついたのは、一日を自動車レース(競技)に例えるというものでした。自動車レースでは常にコース上をアクセル全開で走ればよいというものではなく、適宜ピット(コースから離れて整備をする場所)に入り燃料補給やタイヤ交換をしなければなりません。そうしなければ当然のことながら燃料切れになりますし、良いコンディションで走ることができなくなります。また、車輛不具合の予兆があれば、早期に対処することも必要でしょう。これらのことをふまえ、一日のペース設定に加えて、適切に一時休憩する頻度と内容を検討するようご提案し、午前と午後に1回ずつ缶コーヒーを買いに行く、なおかつその時には体を動かすためにエレベーターではなく階段を利用して、という習慣を試していただくことになりました。

問いの二つ目は、②休日をどう過ごしたらよいのか分からない、というものでした。業務に関する学習をするばかりになっていて、オン・オフの境界が不明瞭になっているもようでした。趣味の活動を持つ、体を動かす機会を作る、といったご提案を申し上げたと記憶しています。

休息とは何もしないことであり、半ば無駄な時間なのではないかと、疑問に思われていたのかもしれません。しかし、疲労を回復させ、本来の力を発揮できる状態を維持するためには、必要不可欠な取り組みです。また、特にデスクワークが主体の方にとっては、体を動かすことが効果的な休息(疲労回復)に繋がるものと期待されます。皆様にとって、効果的な休息のタイミングとその方法はどのようなものでしょうか?

(御池メンタルサポートセンター 臨床心理士 松尾哲朗)