大手企業での人員削減や事業場の閉鎖計画が大々的に報道されています。社員の方々や地域経済への影響が憂慮されます。報道によって「早期退職募集」「リストラ」といった言葉による印象の違いがあり、また、その合意形成の手続きもそれぞれ異なると思われますが、いずれの場合にも「人員が削減される=退職者が生じる」ということに変わりはないものと思われます。
これまでも含め、いくつかの企業や組織の相談担当者として従事させていただいていますが、このような報道がなされると「定年を迎えて再雇用や再就職を検討するより、早い段階で以前から関心のあった業種に転職しておいたほうがよいと考えている。早期退職制度を利用しようと思う」「転職する意思はないが、自分が所謂“肩たたき”の対象ではないかと考えると不安が増大して眠れなくなった」といった話題になることが珍しくありません。筆者自身も別業界から転職した経緯があることから「経験談を聞きたい」「決断は容易だったか?」などのご質問をいただくこともあります。筆者の場合は、前職の就業と並行して通信制大学にて大学卒業資格を得ていたことから、産業心理臨床に関連する大学院へ入学することができました。その後、心理士資格を取得し現在に至っています。今になってみれば、最近の言葉に当てはめると、リカレント教育(それぞれのタイミングで学び直し、仕事で求められる能力を磨き続けていくこと)の範囲だったのかもしれません。
人生100年時代と言われ、就業期間が長期化することは、肌感覚としても理解せざるを得ないところです。例えば、厚生労働省の推進事業である「キャリア形成・リスキリング支援センター」では、学び直しや定年を見据えた働き方について、キャリアコンサルタント(国家資格)に無料で相談することができます。また、現在の就業状況によっては、資格取得に関する訓練給付金が得られる場合もあるようですので、一度出向いてみてはいかがでしょうか。
新たなスキルを身に着けるなど、具体的なアクションを踏み出すことも、ストレス対処に寄与する方法なのではないでしょうか。
御池メンタルサポートセンター 臨床心理士 松尾哲朗