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コラム

ひとり時間の楽しみ方

皆さんは、ひとり時間をどう過ごしていますか?「自分が一人であると感じること」は孤独感ですが、その捉え方は人それぞれです。

孤独には淋しい、悲しいというネガティブなイメージを持つ人が多い一方で、孤独であることに満足感や充足感を持つ人もいて、作家のフランソワーズ・サガンは自身の孤独を「白い充実した孤独感」と表現しています。本当に人それぞれですが、必ずしもネガティブなものばかりではないようですね。また、孤独感の研究者である落合良行によると、孤独の感じ方は人生の時期によって変化するそうです。児童期に感じる孤独は物理的に一人という状況によるものですが、思春期から青年期にかけて、除々に周囲の人との関係性から感じるものとなります。自分の内面に目を向けるようになることで、孤独は疎外感や劣等感を伴う感情へと変化するのです。やがて成人期になると、社会的な関わりの中で、あきらめや嫉妬を含むものに変わっていきます。そして老年期では、人や社会とのつながりの減少と死への意識が、孤独感に影響を与えるそうです。

このように、自分の感じる孤独感も、生きていれば誰もがライフサイクルの中で体験する自然な感情の一つなのだと知っていれば、必要以上に恐れることはないのかもしれません。折に触れ付き合っていかなければならない孤独なら、そんな時こそできる自分なりの楽しみを見つけてはどうでしょう。コロナ禍を経て「ソロ活」が注目され、雑誌やTVでもさまざまな楽しみ方が紹介されていますね。一人カラオケ、映画、ライブやスポーツ観戦、サイクリング、家庭菜園、ヨガ、手芸、楽器を習う、英会話教室、アニメやゲーム。一人旅の計画だけ立ててみる、或いはあえて何もしないという選択もいいですね。また、プチ模様替え、アロマや照明の工夫、絵を飾るなど、いつもの空間をほんの少しグレードアップして過ごすのも一案です。

どれも「仕方なく一人でやる」のではなく、「一人だからこそ楽しめる」モードで取り組んでみてください。孤独への向き合い方を少し変えることができれば、きっとひとりの時間が満ち足りたものへ変容していくのではないでしょうか。

御池メンタルヘルスサポートセンター臨床心理士 内田千智