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コラム

【問題モード】から【解決モード】へ

私たちは、日常生活において何か問題を抱えた時、頭の中でどのような考えが浮かびやすいでしょうか。「なにが/誰が悪かったのだろうか?」「一体、なぜこんなことになってしまったのか?」「どこを直せばよいのだろうか?」など、つい『問題探し』や『原因探し』に躍起になりがちです。

世の中には、明確な答えがある問題(例えば、法律に反するようなこと等)と明確な答えがない問題(例えば、「最近イライラして落ち着かないのはなぜだろうか」「この先、どんな人生を歩めばよいのだろうか」等)があります。明確な問題は、誰に聞いても一律に同じ答えが返ってくるというものです。一方、明確な答えがない問題、特にこころの問題については、原因は無数にあったり、複雑に絡まりあっていたり、そもそも原因と思い当たることが本当に原因なのかをきちんと特定することはなかなかできません。

そこで、『問題探し』や『原因探し』の思考を【問題モード】とすると、「問題」からいったん離れて、そもそも問題としていることの「解決」とは一体どんな姿や形をしているのだろうかと考えてみるという【解決モード】という思考の発想に切り替えてみましょう。

【解決モード】では、「自分はどのようになりたいのだろうか?」「今の問題が良くなった時、どうなっているだろう?」「自分は何が得意でどんなことが好きだろうか?」「もうすでに起こっている/できていることは何か?」という「原因」にこだわらず、「解決」の方向に向かう思考の在り方です。【解決モード】で問題を見直してみると、自分の中にもともと備わっている能力や資源に目が向くようになります。解決像の作り方のポイントは、①大きなことではなく小さなことを設定し、②抽象的ではなく具体的に(できれば行動の形で)解決像をもつこと、③否定形(~しない)ではなく肯定形(~する)で設定してみることです。そして、もし自分で築き上げた解決像が現実において達成されたならば、その時、「問題」の方も同時に消えている、もしくは改善しているかもしれません。難しく考え過ぎず、「良いゴールを形成しよう!」ということに専念してください。

また、誰かから相談をうけた時、きっと相手は【問題モード】で苦しんだり、悩んだりしているはずです。そんな時には、一緒になって【問題モード】で原因探しをあれこれするのではなく、ぜひ【解決モード】で話を聴いてみてください。

 

(御池メンタルサポートセンター 公認心理師 上西左恵子)