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コラム

疲労の正体は“脳の燃料切れ”だった

「午後になると頭がぼんやりする‥」「気がつけばなんだかグッタリしている…」—このような“なんとなく疲れ”の正体、実は“決断疲れ”かもしれません。

決断疲れとは、1日に何度も意思決定を繰り返すことで脳が疲弊し、判断力や集中力が低下する現象です。心理学者ロイ・バウマイスターらの研究では、人間の「決断力」は有限であり、朝に比べて夕方は意思決定の質が著しく下がることがわかっています。

たとえば、「今日の服は何にしよう」「昼ごはんは何を食べよう」「どのメールを先に返そうか」といった、日常の小さな選択の積み重ねが少しずつ脳に負担をかけています。このような状態が続くと、「まぁ大丈夫だろう‥」とリスクを過小評価してしまったり、「これでいいか‥」と事実確認を飛ばして安易な判断に流されてしまったりすることも。結果として、思わぬミスや後悔につながる可能性もあるのです。では、この“決断疲れ”を防ぐにはどうすればよいのでしょうか。ここからは、脳への負荷を軽減するための3つの工夫をご紹介します。

  1. 「ルーティン化」で選択を減らす

出勤日の服装や昼食をあらかじめ決めておくなど、悩まない仕組みをつくることで脳のエネルギーを温存できます。スティーブ・ジョブズが毎日同じ服を着ていたのも、決断の回数を減らすためだったと言われています。

  1. 「朝の集中タイム」を最大化する

決断力が最も高いのは午前中です。複雑な意思決定や思考力を伴うタスク(見積もり判断・契約条件の検討、企画立案など)はなるべく午前に配置し、定型業務や報告書の整理などを午後に回すのが効率的です。

  1. 「“対応しない”選択を持つ」

すべてのメールや会議に丁寧に対応しようとすると、脳の容量はすぐにパンクしてしまいます。「このメールは返信不要」「この会議は他のメンバーに任せる」といった“対応しない”決断を増やすことも、業務の効率化に繋がります。

「決断疲れ」の軽減は、現代の多忙なビジネスパーソンにとって、重要なセルフケアの一つです。日々の疲れに心当たりがある方は、まずは“減らせる決断”を見直すことから始めてみてはいかがでしょうか。

(御池メンタルサポートセンター 臨床心理士   浦野 幸一郎)