―2020年度に減少していた高ストレス者率が増加の傾向―
図1 高ストレス者推移(性別)
図2 高ストレス者推移(年代別)
図3 高ストレス者推移(事業場規模別)
こちらのグラフは過去4年の当会のストレスチェックをご利用いただいお客様の性別、年代別、事業場規模別での高ストレス者率推移です。
共通の傾向としては2019年度に比べ2020年度はどの規模の事業場でも高ストレス者率が減少しています。2019年度末に新型コロナ感染症が発生したことにより、2020年度は緊急事態宣言の発令により一時的に業務量が大きく減少した業種も多かったことが影響しているのではないかと考えられます。2021年度以降は再び高ストレス者率が増加しており、2022度ではコロナ前の水準まで戻っています。
性別を見ると(図1)、常に男性に比べ女性の高ストレス者率が1.5ポイント前後多くなっています(当会のストレスチェックは合計点数法を採用しているため、女性のポイントが高くなっている可能性にご留意ください)。
年代別に見ると(図2)、20代~50代の高ストレス者率は12%~14%とやや高い一方で、10代と60代の高ストレス者率は低い値となっています。高ストレス者率が低い年代は入社直後であったり、定年退職後ということで他の年代に比べると、業務量や業務の質が抑えられている可能性が考えられます。
事業場規模別で見ると(図3)、50名以上の事業場では、事業場規模が大きくなるにつれて高ストレス者率が低くなっているのが特徴です。厚生労働省の労働安全衛生調査の報告によると、事業場規模が大きくになるにつれメンタルヘルス対策の取組を実施している割合が増加していくことがわかっています。この結果からも何らかのメンタルヘルス対策の取組を行うことが、高ストレス者の発生リスクを下げていくことにつながると推察されます。
また、50名未満の小規模事業場のみ特徴的な推移を見せており(図3)、2021年度に比べ2022年度は0.84ポイント高ストレス者率が減少しています。50名未満の事業場ではストレスチェックの実施義務はないですが、当会のデータでは50名未満の事業場の受検者数の増加率は他の規模に比べて明らかに大きくなっており、データがまだ不安定であるということが考えられます。小規模事業場でのストレスチェック実施率は今後も高くなっていくと予想されるため、動向の調査を進めてまいります。
2022年度の高ストレス者率をピークとしてこれ以上増加させないためにも、ストレスチェック結果の活用やそれを基にしたメンタルヘルス対策を検討していくことは非常に重要なことであると考えられます。
ストレスチェックの活用やメンタルヘルス対策についてご検討の場合は京都工場保健会御池メンタルサポートセンターまで、お気軽にお問い合わせください。
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